酔古堂剣掃 / 集醒・攻取の情化すれば
攻取之情化,魚鳥亦來相親;悖戾之氣銷,世途不見可畏。
新字:攻取之情化,魚鳥亦来相親;悖戻之気銷,世途不見可畏。
書き下し
攻取の情化すれば、魚鳥も亦た來りて相親しむ。 悖戾の氣銷ゆれば、世途に畏るべきを見ず。
現代語訳
奪い取ろうとする心が消えれば、魚や鳥までも寄って来て親しみます。道理に背きねじける気が消えれば、世の道に恐ろしいものは見当たらなくなります。
解説
自分の心のありようが、周りの世界の見え方を変えることを説いた対句です。攻取は、攻めて奪い取ること、つまり何かを得ようと狙う心です。悖戻は、道理に背きひねくれた気持ちを言います。人が獲物を狙う心を捨てると、魚や鳥も警戒せずに近寄ってきます。同じように、とげとげしい気が消えれば、世間も恐ろしい場所には見えなくなります。『列子』黄帝篇には、鴎と遊んでいた男が捕まえようと思った途端、鴎が寄りつかなくなった話があります。周りが自分に冷たいと感じるときは、まず自分の中の奪おうとする心や反発する気持ちを見つめ直したいものです。
この章句が説くこと
無心和気処世自然心
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