酔古堂剣掃 / 集醒・一言にして天地の和を傷る
有一言而傷天地之和,一事而折終身之福者,切須撿點。
新字:有一言而傷天地之和,一事而折終身之福者,切須撿点。
書き下し
一言にして天地の和を傷り、一事にして終身の福を折る者有り、切に須らく撿點すべし。
現代語訳
たった一言で天地の和やかな調和を損ない、たった一つの行いで一生の幸福を折ってしまうことがあります。くれぐれも自分をよく点検しなければなりません。
解説
一言一行の重さを、強い言葉で戒めた一則です。菜根譚にも、一念、一言、一事がそれぞれ鬼神の禁を犯し、天地の和を損ない、子孫に禍を残すことがあるという似た句があります。天地の和とは、自然と人間社会の調和のことです。何気ない一言が人の心を深く傷つけ、関係を壊し、場の空気を一変させることがあります。また、たった一度の軽はずみな行いが、長年築いてきた信用や幸福を失わせることもあります。検点は、一つひとつ調べて点検することです。大きな失敗は、たいてい小さな油断から始まります。発言や行動の前に、それがどんな結果を招くかを一瞬でも考える習慣が、身を守る一番の方法でしょう。
この章句が説くこと
慎言自省戒慎修身禍福
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