酔古堂剣掃 / 集醒・伏すこと久しき者は飛ぶこと必ず高し
伏久者,飛必高;開先者,謝獨早。
新字:伏久者,飛必高;開先者,謝独早。
書き下し
伏すこと久しき者は、飛ぶこと必ず高し。開くこと先なる者は、謝すること獨り早し。
現代語訳
長く地に伏していた鳥は、飛び立つときに必ず高く舞い上がります。先に咲いた花は、散るのもひとり早いのです。
解説
鳥と花のたとえで、雌伏の時と早熟の危うさを述べた短い対句です。菜根譚にもほぼ同じ句があり、そちらではこれを知れば足踏みの憂いを免れ、焦りの思いを消せると続けています。長く伏していた鳥ほど力を蓄えていて高く飛び、早く咲いた花ほど早く散ってしまいます。伏久は、世に出られずに不遇の時を過ごすことのたとえでもあります。周りが先に成功していくのを見ると焦りますが、時間をかけて力を蓄えることには意味があります。逆に、早く成果を出した人も、それで終わらないよう気をつける必要があります。人生の速さを他人と比べず、自分の時を待つ心の余裕を与えてくれる言葉です。
この章句が説くこと
忍耐雌伏大器処世時節
関連する章句
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菜根譚・後集伏すること久しき者は、飛ぶこと必ず高し。開くこと先なる者は、謝すること独り早し。此を知らば、以て蹭蹬(そうとう)の憂いを免るべく、以て躁急の念を消すべし。
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『酔古堂剣掃』集醒・巧を拙に藏す巧を拙に藏し、晦を用ひて明らかに、清を濁に寓し、屈を以て伸と為す。
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『酔古堂剣掃』集靈・之を寬にすれば或いは自ら明らかなり事に之を急にして白らかならざる者有り、之を寬にすれば或いは自ら明らかなり、躁急にして以て其の忿りを速くこと毋かれ。 人に之を操りて從はざる者有り、之を縱てば或いは自ら化す、操切にして以て其の頑なるを益すこと毋かれ。
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『酔古堂剣掃』集豪・終に老驥を忘れず飛禽は翮を鎩がるるも、猶ほ羽毛を愛惜す。志士は生を捐つるも、終に老驥を忘れず。
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『酔古堂剣掃』集豪・驥は櫪に伏すと雖も驥は櫪に伏すと雖も、足は能く千里。 鵠は即ひ翅を垂るるも、志は九霄に在り。
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菜根譚・前集鷹の立つは睡るが如し。虎の行くは病めるに似たり。正に是れ他の鳥を攫(つか)み人を噬(か)むの法術なり。故に君子は聡明を露わさず、才華を逞しくせざるを要す。纔めて任重く道遠きの力量有り。