酔古堂剣掃 / 集醒・陰德を積む平民を出す
出一個喪元氣進士,不若出一個積陰德平民。
新字:出一個喪元気進士,不若出一個積陰徳平民。
書き下し
一個の元氣を喪ふ進士を出すは、一個の陰德を積む平民を出すに若かず。
現代語訳
世の元気を損なうような進士を一人出すよりは、人知れず徳を積む平民を一人出すほうがよいのです。
解説
家から出す人物の値打ちを、身分でなく徳で測るべきだと説く一則です。進士は科挙の最終試験に合格した者で、当時の最高の栄誉でした。一族から進士を出すことは、家の誇りそのものだったのです。しかし、その進士が権力を振るって世の元気、つまり国や人々の活力を損なうなら、家の名を汚すことになります。それよりは、名もない平民でも、陰徳、人に知られぬ善行を積む人を出すほうがよいと言います。陰徳あれば陽報ありという言葉もあるように、陰徳は家を長く栄えさせるものと考えられていました。子どもの進学や出世を願うとき、肩書きよりも、どんな人間に育ってほしいかを考え直させてくれる言葉です。
この章句が説くこと
陰徳家訓名利育成修身
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