酔古堂剣掃 / 集醒・心を清素に實たす
結想奢華,則所見轉多冷淡;實心清素,則所涉都厭塵氛。
新字:結想奢華,則所見転多冷淡;実心清素,則所渉都厭塵氛。
書き下し
想ひを奢華に結べば、則ち見る所轉た冷淡多し。心を清素に實たせば、則ち涉る所都て塵氛を厭ふ。
現代語訳
贅沢で華やかなことに思いをつなげていると、目に入るものがかえって味気なく冷たく感じられることが多くなります。心を清らかで質素なもので満たしていると、関わるものすべてについて俗世の気配を嫌うようになります。
解説
心の向け方によって、世界の見え方が変わることを述べた対句です。奢華は贅沢で華やかなこと、清素は清らかで飾り気のないこと、塵氛は俗世のほこりっぽい気配です。華やかさばかりを思い描いていると、普通の暮らしが物足りなく、寒々しく見えてしまいます。反対に、心を清らかさで満たしていると、俗っぽいものに自然と距離を置くようになります。同じ世界を見ていても、心の中に何を住まわせているかで感じ方がまるで違うのです。広告や他人の華やかな暮らしぶりを見続けると、自分の日常が色あせて見えることがあります。何を見て何を思うかを選ぶことが、心の平穏を保つ第一歩になるでしょう。
この章句が説くこと
清貧澹泊欲望修身心境
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