酔古堂剣掃 / 集醒・無事の人は好んで事を生ず
不耕而食,不織而衣,搖唇鼓舌,妄生是非,故知無事之人好為生事。
新字:不耕而食,不織而衣,揺唇鼓舌,妄生是非,故知無事之人好為生事。
書き下し
耕さずして食ひ、織らずして衣、唇を搖がし舌を鼓し、妄りに是非を生ず。故に知る、無事の人は好んで事を生ずることを。
現代語訳
田を耕さずに食べ、機を織らずに着て、唇を動かし舌を鳴らして、みだりに是非の争いを起こします。ここから、することのない人ほど、好んで事を起こすものだとわかります。
解説
働かずに口ばかり動かす人が、揉め事の種をまくことを指摘した一則です。前半の不耕而食、不織而衣、揺唇鼓舌、擅生是非は、『荘子』盗跖篇で盗跖が孔子を罵った言葉に由来します。ここではそれを借りて、暇を持て余して口先で人を論評する人々を批判しています。無事の人は好んで事を生ずという結論は、今日にもよく当てはまります。自分の仕事に打ち込んでいる人は、人の噂や批判をしている暇がありません。反対に、手持ち無沙汰な人ほど、人の粗を探し、議論を吹っかけ、騒ぎを起こしがちです。職場で揉め事が絶えないときは、誰かが暇を持て余していないかを見てみるのも一つの手でしょう。
この章句が説くこと
勤勉慎言処世是非噂
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