幽夢影 / 処世
幽夢影(処世)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全220句。このページは1〜200句目です。
清の張潮(号は心斎、一六五〇〜一七〇七頃)の箴言集です。「読経は冬に宜し、其の神専らなればなり。読史は夏に宜し、其の時久しければなり」から始まる二百十九則に、読書・花・月・酒・友・山水・女性をめぐる、気の利いた短い言葉が並びます。「律己宜帶秋氣、處世宜帶春氣」(自分を律するには秋の気を、世に処するには春の気を帯びよ)、「天下有一人知己、可以不恨」(天下に一人の知己があれば、恨むことはない)。林語堂が英語で紹介したことでも知られます。この本のもう一つの読みどころは、一則ごとに付いた同時代の友人たちの評語です。張潮が「無善無悪は聖人、善多く悪少なきは賢者」と書けば、友人が「先に悪くて後に善いのは回頭人、先に善くて後に悪いのは両截人」と返す。跋に「評語を書中に参錯させたのは幽夢影の創格」とあるとおり、サロンの会話のような本です。師導では、原文欄には張潮の本文と、本文中に張潮自身が添えた自注だけを収め、友人の評語は原文に入れていません。解説で面白い評語を紹介しているところがあります。評語は、余懐ら四人の序、江之蘭ら四人の跋とともに、全文コーパスにすべて収めました。底本は維基文庫『幽夢影』です。古文島(原古詩文網)の簡体字本と字の並びで突き合わせると一致率は〇・九五四で、古文島本は張潮の自注を落としているため、底本のほうが備わっています。則の題は維基文庫が付けたもので、原典にはありません。師導では二百十九則を二百二十の章句に収めました(四声を論じた九百字余りの一則だけ二つに分けています)。張潮の本文一万九百八十五字の百パーセントを覆っています。学派は「処世」に置きました。

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