幽夢影 / 巻上・花を賞するには佳人に對す
賞花宜對佳人,醉月宜對韻人,映雪宜對高人。
新字:賞花宜対佳人,酔月宜対韻人,映雪宜対高人。
書き下し
花を賞するには宜しく佳人に對すべし、月に醉ふには宜しく韻人に對すべし、雪に映ずるには宜しく高人に對すべし。
現代語訳
花を愛でるときは美しい人と向き合うのがよいのです。月を眺めて酔うときは風雅な人と向き合うのがよいのです。雪景色を楽しむときは世俗を超えた高潔な人と向き合うのがよいのです。
解説
花・月・雪という風流の三題に、それぞれふさわしい相手を配した一則です。花の華やかさには佳人、月の奥ゆかしさには韻人、雪の清らかさには高人が合うという見立てです。映雪は、雪明かりのもとで過ごすことを指し、晋の孫康が雪明かりで書を読んだ故事も思わせます。友人の余淡心は、花がすなわち佳人、月がすなわち韻人、雪がすなわち高人だから、それらを楽しめばもう三者と向き合っているのと同じだと評しています。景色の良さは、誰と見るかで何倍にもなります。大切な時間を誰と過ごすかを選ぶ目を養いたいものです。
この章句が説くこと
風雅交友自然花鳥風月閑適
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