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幽夢影 / 巻下・耳に宜しく復た目に宜しき者

宜於耳復宜於目者,彈琴也,吹簫也。宜於耳不宜於目者,吹笙也,擫管也。

新字:宜於耳復宜於目者,弾琴也,吹簫也。宜於耳不宜於目者,吹笙也,擫管也。

書き下し

耳に宜しく復た目に宜しき者は、琴を彈ずるなり、簫を吹くなり。耳に宜しく目に宜しからざる者は、笙を吹くなり、管を擫ふるなり。

現代語訳

耳に心地よく、しかも見た目にも美しいのは、琴を弾くことと、簫を吹くことです。耳には心地よいけれども見た目には美しくないのは、笙を吹くことと、管(縦笛)を押さえて吹くことです。

解説

楽器を、音だけでなく奏でる姿の美しさでも評価した一則です。琴を弾く姿も簫を吹く姿も、落ち着いていて優雅なので、耳にも目にも好ましいと言います。一方、笙は多くの竹管を束ねた楽器で、頬をふくらませて吹く姿はあまり美しくありません。擫管は指で孔を押さえて管楽器を吹くことで、これも顔に力が入るので見映えがしないというわけです。友人の李聖許は、目に好ましく耳に好ましくないのは獅子のように怒鳴る美人、どちらにも好ましくないのは顔も話もつまらない金持ちの道楽息子だと広げ、龐天池は、耳にも目にも好ましいのは巧言令色だと皮肉っています。中身と見た目の両方を磨くことの大切さを考えさせます。

この章句が説くこと

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