幽夢影 / 巻上・怒る處も亦樂しむ處なり
讀書最樂,若讀史書,則喜少怒多,究之怒處亦樂處也。
新字:読書最楽,若読史書,則喜少怒多,究之怒処亦楽処也。
書き下し
書を讀むは最も樂し、若し史書を讀まば、則ち喜び少く怒り多し、之を究むれば怒る處も亦樂しむ處なり。
現代語訳
読書は何より楽しいものです。ただ歴史書を読むと、喜ぶことが少なく怒ることが多いのです。しかし突き詰めてみると、怒るところもまた楽しむところなのです。
解説
歴史書を読むときの感情の動きを、正直に語った一則です。歴史には、忠臣が退けられ、悪人が栄え、正しい者が報われない場面が数多くあります。読めば読むほど腹が立つことが多いのですが、張潮は、その怒りこそ歴史を読む楽しみの一部なのだと言います。心を揺さぶられるのは、それだけ本気で読んでいる証拠だからです。友人の陸雲士は、三国志を読めば誰もが劉備の味方をし、南宋の史書を読めば誰もが岳飛の無実を嘆くと自作の句を引き、怒りながら楽しめるのは歴史をよく読む人だけだと言います。張竹坡は、喜びも怒りも忘れるまで読むのが大いなる楽しみだと言います。心を動かして読むことが、学びを深くします。
この章句が説くこと
読書歴史学問感情義憤
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