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幽夢影 / 巻下・惟だ黑と白とのみ太過無し

五色有太過、有不及,惟黑與白無太過。

新字:五色有太過、有不及,惟黒与白無太過。

書き下し

五色は太過有り、不及有り、惟だ黑と白とのみ太過無し。

現代語訳

五色には濃すぎることもあれば、薄すぎることもあります。ただ黒と白だけは、行き過ぎということがありません。

解説

色の中で黒と白だけが別格であることを、短く言い当てた一則です。五色は青・赤・黄・白・黒を指しますが、ここでは色彩一般のことと見てよいでしょう。赤や青は濃すぎればけばけばしく、薄すぎれば物足りなくなりますが、黒はどこまでも黒く、白はどこまでも白くてよいというのです。水墨画や書の美学にも通じる見方です。友人たちは言葉遊びで応じ、杜茶村は「唐には李太白がいたのを知らないのか」と太白の太を引っかけ、尤悔菴は囲碁を持ち出して『老子』の「其の白を知りて、其の黒を守る」を引いています。極端であることがかえって美しいものもある、という逆説を味わえます。

この章句が説くこと

色彩中庸老子風雅水墨

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