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幽夢影 / 巻下・禽は則ち雄の雌より華やかなり

人謂女美於男,禽則雄華於雌,獸則牝牡無分者也。

新字:人謂女美於男,禽則雄華於雌,獣則牝牡無分者也。

書き下し

人は女の男より美なりと謂ふ、禽は則ち雄の雌より華やかなり、獸は則ち牝牡分無き者なり。

現代語訳

人間では女が男より美しいと言われます。鳥では雄のほうが雌よりも華やかです。獣では雌雄の区別がほとんどありません。

解説

人・鳥・獣で、雌雄の美しさの関係が違うことに目を留めた観察の一則です。人間では女性の美しさがたたえられますが、鳥では孔雀や鴛鴦のように、雄のほうが鮮やかな羽を持っています。獣になると、雄と雌の見た目にそれほど差がないというのです。張潮は結論を押しつけず、ただ違いを並べてみせることで、美しさとは何かを考えさせています。友人の杜於皇は「人でも男が女より美しい者はいる、確かな論ではない」と異を唱えています。当たり前だと思っていることも、別の種類と比べると当たり前ではなくなります。物事を比べて見る習慣が、固定観念をほぐしてくれる一例です。

この章句が説くこと

観察雌雄自然比較見方

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