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幽夢影 / 巻下・無遮大會を建てんと欲す

予嘗欲建一無遮大會,一祭歷代才子,一祭歷代佳人。俟遇有眞正高僧,即當爲之。

新字:予嘗欲建一無遮大会,一祭歴代才子,一祭歴代佳人。俟遇有真正高僧,即当為之。

書き下し

予嘗て一の無遮大會を建て、一は歷代の才子を祭り、一は歷代の佳人を祭らんと欲す。眞正の高僧に遇ふこと有るを俟ちて、即ち當に之を爲すべし。

現代語訳

私はかつて、無遮大会を開いて、一つには歴代の才子を祭り、一つには歴代の佳人を祭りたいと思ったことがあります。本当の高僧に出会えたら、すぐにでもそれを行うつもりです。

解説

不遇のうちに世を去った才子佳人の霊を慰めたいという、張潮の願いを述べた一則です。無遮大会は、身分や僧俗の別なく、誰にでも分け隔てなく施しをする仏教の大法会です。張潮は、古来の才ある人や美しい人の多くが報われずに亡くなったことを惜しみ、その霊を供養したいと考えました。ただし、それには本物の高僧が必要だと条件をつけています。友人の僧中洲は「私こそ真の高僧だ、すぐにやりましょう」と名乗り出て、同じく僧の遠峰が「中洲和尚、私の施主を奪うな」と割り込んでいます。顧天石は「二、三十年後にしてくれれば自分も供養を受けられる」と笑わせます。過去の人々への敬意を形にしたいという思いが、仲間の軽口の中に温かく響きます。

この章句が説くこと

供養才子佳人仏教敬意

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