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幽夢影 / 巻上・一定の位と無定の位

南北東西,一定之位也;前後左右,無定之位也。

書き下し

南北東西は、一定の位なり。前後左右は、無定の位なり。

現代語訳

南北東西は、定まった位置です。前後左右は、定まらない位置です。

解説

方角には二種類あることを、簡潔に言い分けた一句です。東西南北は、誰がどこに立っても変わらない絶対的な方角です。前後左右は、その人がどちらを向いているかによって変わる、相対的な方角です。当たり前のことのようですが、ものの見方には、変わらない基準と、立場によって変わる基準の二つがあることを示しています。友人の張竹坡は、天地は昼夜めぐっているというから、東西南北も定まった位置ではないのかもしれず、天地の外にこの天地を収めているものがあってはじめて一定なのだろうと、さらに考えを広げています。議論がかみ合わないときは、相手が絶対の基準で話しているのか、自分の向きで話しているのかを確かめると解けることがあります。
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この章句が説くこと

機知視点方位相対観察

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