幽夢影 / 巻下・品を立つるは宋人の道學に發すべし
立品須發乎宋人之道學,渉世須參以晉代之風流。
新字:立品須発乎宋人之道学,渉世須参以晋代之風流。
書き下し
品を立つるは須く宋人の道學に發すべく、世を渉るは須く參ふるに晉代の風流を以てすべし。
現代語訳
人品を確立するには、宋の人の道学から出発すべきです。世の中を渡っていくには、晋の時代の風流をまじえるべきです。
解説
身の持し方と世の渡り方とで、手本を使い分けよと説いた一則です。宋人の道学は、朱子らが大成した、心を修め行いを正す厳格な儒学を指します。晋代の風流は、竹林の七賢に代表される、礼法にとらわれない自由で洒脱な気風のことです。張潮は、根本の人格は道学で固めながら、人との付き合いや暮らしぶりには晋人のしなやかさを取り入れよと言います。堅苦しいだけでも、軽やかなだけでも足りないというわけです。友人の方宝臣は「本当の道学者で、風流でない者はいない」と評しています。芯はまっすぐに、外側は柔らかくという姿勢は、今の職場でも信頼される人の条件と言えそうです。
この章句が説くこと
修身処世道学風流中庸
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