幽夢影 / 巻下・風流は自ら賞す
風流自賞,祇容花鳥趨陪;眞率誰知,合受煙霞供養。
新字:風流自賞,祇容花鳥趨陪;真率誰知,合受煙霞供養。
書き下し
風流は自ら賞し、祇だ花鳥の趨陪するを容るるのみ。眞率は誰か知らん、合に煙霞の供養を受くべし。
現代語訳
風流は自分で味わうもので、ただ花や鳥がそばに付き従うのを許すだけです。飾らない率直さは誰にもわかってもらえないので、霞や靄に養ってもらうのがふさわしいのです。
解説
巻下の冒頭に置かれた、俗世から離れた文人の心境を詠んだ対句です。風流は人に見せびらかすものではなく、自分一人で楽しむもので、その相手は花と鳥だけでよいと言います。真率は飾り気のない率直な人柄のことで、世間ではなかなか理解されないので、山の霞や靄、つまり自然にもてなしてもらうのがふさわしいというわけです。趨陪は付き従って侍ること、供養はもてなし養うことです。友人の江含徵は、何かを思っているようで何も思っていないという蘇東坡の言葉を引いています。人に認められることを求めず、自分の好きなものを自分で味わえる人は、心がぶれにくいものです。
この章句が説くこと
隠逸風雅自然真率閑適
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