幽夢影 / 巻上・古の今に傳はらざる者
古之不傳於今者,嘯也,劍術也,彈棋也,打球也。
新字:古之不伝於今者,嘯也,剣術也,弾棋也,打球也。
書き下し
古の今に傳はらざる者は、嘯なり、劍術なり、彈棋なり、打球なり。
現代語訳
昔あって今に伝わっていないものは、嘯(うそぶき)、剣術、弾棋、打球です。
解説
古代にあって失われてしまった技芸を四つ挙げた一則です。嘯は口をすぼめて長く声を出す技で、晋の阮籍などの名手が知られ、隠者の風流とされました。剣術は古い武芸、弾棋は漢代から唐代に行われた、盤上で駒をはじいて遊ぶ遊戯です。打球は唐代に盛んだった、馬上から球を打つ競技です。どれも記録に名は残っても、やり方の詳しいところは張潮の時代にはわからなくなっていました。友人の龐天池は、今のもので必ず後に伝わらないのは八股文だと、科挙の答案の文体を皮肉っています。技や知恵は、人から人へと手渡さなければ、いつか消えてしまいます。
この章句が説くこと
学問伝承技芸歴史風雅
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