幽夢影 / 巻上・生香を捨てて解語を取る
美人之勝於花者,解語也;花之勝於美人者,生香也。二者不可得兼,捨生香而取解語者也。
書き下し
美人の花に勝る者は、解語なり。花の美人に勝る者は、生香なり。二者兼ぬるを得べからずんば、生香を捨てて解語を取る者なり。
現代語訳
美しい人が花に勝っているのは、言葉がわかることです。花が美しい人に勝っているのは、おのずから香りを放つことです。二つを兼ねることができないなら、香りを捨てて、言葉がわかるほうを取ります。
解説
美人と花を比べ、それぞれの勝る点を一つずつ挙げた一則です。解語は言葉を解すること、唐の玄宗が楊貴妃を言葉のわかる花と呼んだという故事が背景にあります。生香は、花がおのずと香りを放つことです。両方は兼ねられないとしたうえで、張潮は香りよりも心の通い合いを選ぶと言います。友人の王勿翦は、漢の趙飛燕は吐く息が蘭のようで、妹の合徳は体から香りが立ったというから、美人にも生香はあると反論しています。見た目や雰囲気の良さより、話が通じ合うことを重んじる姿勢は、人と組んで働くうえでも大切な物差しです。
この章句が説くこと
交友風雅情花対話
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