幽夢影 / 巻下・生書を讀むは舊業を溫むるに若かず
創新菴不若修古廟,讀生書不若溫舊業。
新字:創新菴不若修古廟,読生書不若温旧業。
書き下し
新菴を創るは古廟を修むるに若かず、生書を讀むは舊業を溫むるに若かず。
現代語訳
新しい庵を建てるのは、古い廟を修理することに及びません。まだ読んだことのない本を読むのは、かつて学んだものをおさらいすることに及びません。
解説
新しいものに手を出すより、すでにあるものを手入れせよと説く対句です。菴は小さな寺院や庵、廟は祖先や神をまつる建物です。生書は初めて読む本、旧業はかつて学んだものを指します。『論語』の「故きを温めて新しきを知る」を思わせる言葉です。友人の張竹坡は「これこそ本当に読書のできる人、同じ本を何度も読んだ人の言葉だ」と評し、顧天石は何度読んでも飽きない本を挙げています。新しい知識を次々に取り入れるのも大切ですが、一度学んだことを繰り返し深めると、思わぬ発見があります。本棚の古い一冊を開き直してみたくなる一則です。
この章句が説くこと
読書温故学問修養再読
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