幽夢影 / 巻上・一部の新書を著し得れば
著得一部新書,便是千秋大業;注得一部古書,允爲萬世宏功。
新字:著得一部新書,便是千秋大業;注得一部古書,允為万世宏功。
書き下し
一部の新書を著し得れば、便ち是れ千秋の大業なり。一部の古書に注し得れば、允に萬世の宏功爲り。
現代語訳
一冊の新しい書物を書き上げることができれば、それはもう千年の大事業です。一冊の古い書物に注釈を付けることができれば、まことに万世に残る大きな功績です。
解説
書物を書くことと、古典に注を付けることの価値を並べて称えた対句です。新しい書を著すのは、自分の考えを形にして後世に残す仕事です。古典に注を付けるのは、昔の言葉を読み解いて、次の世代が読めるように橋を架ける仕事です。どちらも一時の名声ではなく、千年、万年にわたって人の役に立つ営みだと言います。友人の黄交三は、世の中で難しいことは注釈が第一で、ごく平凡な書物からでも作者の苦心を読み取らねばならないと言います。張竹坡は、注釈そのものより、落ち着いて注に打ち込める時と場所を得ることが難しいと嘆いています。先人の仕事を受け継ぎ、次へ渡すことも立派な創造です。
この章句が説くこと
学問読書著述注釈伝承
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