幽夢影 / 巻下・君子の鄙しむ所と爲る毋れ
寧爲小人之所罵,毋爲君子之所鄙;寧爲盲主司之所擯棄,毋爲諸名宿之所不知。
新字:寧為小人之所罵,毋為君子之所鄙;寧為盲主司之所擯棄,毋為諸名宿之所不知。
書き下し
寧ろ小人の罵る所と爲るも、君子の鄙しむ所と爲る毋れ。寧ろ盲主司の擯棄する所と爲るも、諸名宿の知らざる所と爲る毋れ。
現代語訳
小人に罵られるほうがまだましで、君子に軽蔑されるようであってはなりません。目の利かない試験官に落とされるほうがまだましで、名高い大家たちに名を知られないようであってはなりません。
解説
誰からの評価を大切にするべきかを、はっきり示した対句です。小人から罵られるのは、かえって自分がまっとうである証しかもしれませんが、君子から軽蔑されるのは本当に恥ずべきことです。主司は科挙の試験官のことで、目の利かない試験官に落とされても、その道の大家に認められていれば悔いはないというわけです。張潮自身、科挙では成功しませんでしたが、文名は高く、この言葉には実感がこもっています。友人の李若金は「小人に罵られないのは八方美人の郷原で、君子に軽蔑されるのは決して立派な人ではない」と評しています。誰にでも好かれようとするより、信頼する人の目に恥じないことを基準にしたいものです。
この章句が説くこと
評価君子小人立志処世
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