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幽夢影 / 巻上・花を愛するの心を以て美人を愛す

以愛花之心愛美人,則領略自饒別趣;以愛美人之心愛花,則護惜倍有深情。

書き下し

花を愛するの心を以て美人を愛すれば、則ち領略自ら別趣に饒かなり。美人を愛するの心を以て花を愛すれば、則ち護惜倍ます深情有り。

現代語訳

花を愛する心で美しい人を愛すれば、その味わい方はおのずと格別の趣に富みます。美しい人を愛する心で花を愛すれば、いたわり大切にする気持ちがいっそう深くなります。

解説

花と美人という二つの愛の対象を、心の持ち方として入れ替えてみせた対句です。花を愛でるように人を見れば、ただ所有するのではなく、その姿や移ろいをしみじみ味わう目が生まれます。人を愛するように花を扱えば、風雨から守り、散るのを惜しむ気持ちがいっそう深まります。領略は味わい知ること、護惜は守り惜しむことです。友人の冒辟疆は、こうあってこそ本当の味わいであり、本当のいたわりだと評しています。一つの対象に向ける心を別の対象に移してみると、どちらへの向き合い方も豊かになります。人にも物にも、同じ深さの心で向き合いたいものです。

この章句が説くこと

風雅慈しみ

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