幽夢影 / 巻下・妾の美なるは妻の賢なるに如かず
妾美不如妻賢,錢多不如境順。
新字:妾美不如妻賢,銭多不如境順。
書き下し
妾の美なるは妻の賢なるに如かず、錢の多きは境の順なるに如かず。
現代語訳
側室が美しいことは、妻が賢いことに及びません。お金が多いことは、境遇が順調であることに及びません。
解説
華やかに見えるものより、暮らしの土台となるものを重んじよと説く短い対句です。妾は当時の家族制度における側室のことで、美しい側室は富と地位の象徴でもありました。張潮は、それよりも家を支える妻の賢さのほうが大切だと言います。同じように、財産の多さより、物事が滞りなく運ぶ境遇のほうが幸せだとします。友人の張竹坡は「妻が賢くなければ妾が美しくても何になろう、金が多くなければどうして境遇が順調になろう」と、両方を求める本音で切り返しています。目立つ成果を追う前に、日々の足元を支えているものを大切にする。そんな優先順位の話として読めます。
この章句が説くこと
家庭賢妻処世幸福足る
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