幽夢影 / 巻上・知己を君臣に求むるは難の難
求知己於朋友易,求知己於妻妾難,求知己於君臣則尤難之難。
書き下し
知己を朋友に求むるは易く、知己を妻妾に求むるは難く、知己を君臣に求むるは則ち尤も難の難なり。
現代語訳
自分を理解してくれる人を友人の中に求めるのはたやすく、妻や妾の中に求めるのは難しく、君主と臣下の間に求めるのは、難しい中でもとりわけ難しいことです。
解説
知己、つまり本当に自分をわかってくれる相手を得る難しさを、関係の種類ごとに比べた一則です。友人は志や趣味が合う人を自分で選べるので、知己を得やすいものです。妻や妾は家の都合で結ばれることが多かった時代なので、心の底まで通じ合うのは難しくなります。君臣となると、身分の隔たりと利害が絡み、互いに本当に理解し合うのは最も難しいと言います。友人の張竹坡は、兄弟に知己を求めるのもまた難しいと加え、江含徵は、鬼神に知己を求めるのはかえって易しいと皮肉っています。上司と部下の間で信頼を築くことが難しいのは、昔も今も変わりません。だからこそ、それが得られたときの価値は大きいのです。
この章句が説くこと
交友知己君臣夫婦信頼
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