幽夢影 / 巻上・梅邊の石は古に宜し
梅邊之石宜古;松下之石宜拙;竹傍之石宜瘦;盆內之石宜巧。
新字:梅辺之石宜古;松下之石宜拙;竹傍之石宜痩;盆内之石宜巧。
書き下し
梅邊の石は古に宜しく、松下の石は拙に宜しく、竹傍の石は瘦に宜しく、盆内の石は巧に宜し。
現代語訳
梅のそばの石は古びた趣のあるものがよく、松の下の石は素朴でぶこつなものがよく、竹の傍らの石は痩せて細いものがよく、盆景の中の石は精巧な形のものがよいのです。
解説
庭の石の選び方を、組み合わせる植物ごとに説いた一則です。老木に花を咲かせる梅には、苔むした古びた石が似合います。どっしりした松の下には、飾り気のない素朴な石が合います。すらりとした竹の脇には、細く引き締まった石が映えます。小さな鉢の中に景色を作る盆景には、形の凝った精巧な石が向いています。中国の文人は奇石を愛し、石の姿を痩・皺・漏・透といった言葉で品定めしました。友人の周星遠は、ここまで石を論じれば人物を九つの品等に分ける九品中正の役人にもなれると褒めています。何を何と組み合わせるかで、それぞれの持ち味が生きもし死にもします。
この章句が説くこと
風雅庭園調和審美自然
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