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幽夢影 / 巻下・矧んや其の解語花爲るをや

買得一本好花,猶且愛護而憐惜之,矧其爲解語花乎?

新字:買得一本好花,猶且愛護而憐惜之,矧其為解語花乎?

書き下し

一本の好花を買ひ得ても、猶且つ之を愛護して憐惜す、矧んや其の解語花爲るをや。

現代語訳

よい花を一株買ったときでさえ、大切に守りいとおしむものです。ましてそれが、言葉を解する花であるならなおさらです。

解説

物言わぬ花さえ大切にするのだから、心を持つ人はなおさら大切にせよと説いた一則です。解語花は言葉を解する花という意味で、唐の玄宗が楊貴妃を指してそう呼んだという話から、美しい女性をたとえる言葉になりました。張潮は、買ってきた花を枯らさないよう気を配るのと同じ心で、身近な女性をいたわるべきだと言います。友人の王司直は「この言葉は惻隠の心であり、同時に是非の心でもある」と、孟子の説く心の働きに結びつけています。石天外は「この心を思うと念仏を唱えたくなる」と感じ入っています。花の世話はていねいなのに、身近な人への気づかいがおろそかになっていないか、振り返らせてくれる一則です。

この章句が説くこと

慈愛女性思いやり

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