幽夢影 / 巻上・世に入りては東方曼倩を學ぶ
入世須學東方曼倩,出世須學佛印了元。
新字:入世須学東方曼倩,出世須学仏印了元。
書き下し
世に入りては須らく東方曼倩を學ぶべし、世を出でては須らく佛印了元を學ぶべし。
現代語訳
世の中に入って生きるなら、東方曼倩(漢の東方朔)を手本にすべきです。世の中を離れるなら、仏印了元(宋の禅僧)を手本にすべきです。
解説
入世と出世、つまり俗世で働く生き方と俗世を離れる生き方の手本を、一人ずつ挙げた対句です。東方朔は漢の武帝に仕え、滑稽と機知で直言しながらも身を全うした人物です。仏印了元は北宋の禅僧で、蘇軾と親しく交わり、機知に富んだ問答の逸話が数多く伝わります。どちらも堅苦しさがなく、ユーモアを持って世と渡り合った点で共通しています。友人の石天外は、世に入れてこそ世を出られ、入世と出世を一つにしてこそ自在になれると評しています。真剣な場面でこそ、ゆとりと笑いを失わない人が強いのかもしれません。
この章句が説くこと
処世隠逸入世機知禅
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