論語と算盤 / 実業
論語と算盤(実業)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全90句。
渋沢栄一(一八四〇〜一九三一)が各所で語った訓話を、梶山彬が『竜門雑誌』および『青淵百話』から集めて編み、大正五年(一九一六)に東亜堂書房から刊行した講話集です。十部九十章。書名は、七十歳の祝いに贈られた画帖に、論語と算盤、シルクハットと朱鞘の大小が並べて描かれていたことに由来します。「算盤は論語に依つて出来て居る、論語は又算盤に依つて本当の富が活動される」——道徳と経済は一つであるという道徳経済合一説が、全篇を貫きます。渋沢は明治六年に大蔵省を辞して実業界に入るとき、論語で商売ができるかと自問し、以後四十年を論語一冊で通しました。「士魂商才」「蟹穴主義が肝要」「一生涯に歩むべき道」「武士道は即ち実業道なり」「成敗は身に残る糟粕」など、経営と修養の双方に効く言葉が並びます。第一国立銀行をはじめ五百余の企業の設立に関わり、同時に東京市養育院の院長を半世紀務めた人の、実務から出た言葉である点に値打ちがあります。師導では、公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターが東亜堂書房版(再版)を底本に作成し、クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際(CC BY 4.0)で公開しているTEI/XML版「論語と算盤オンライン」を底本に、全九十章から一章につき一句ずつ、その章の核となる一段を切り出して収めています。旧字は新字に改められ、ルビ・傍点・訓点は省かれ、底本の誤植には校訂が施された本文です。原文欄は底本のまま(旧仮名遣い・踊り字を含む)、読み下し文の欄には踊り字を開いて現代仮名遣いに直したものを置いています。