価原 / 実業
価原(実業)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全70句。
『価原』(かげん)は、豊後の学者・三浦梅園(一七二三〜一七八九)が安永二年(一七七三)に著した経済論です。奉公人の値がなぜこれほど高いのかという問いを受け、そのもとをたどって一冊にまとめたと、漢文の序に記しています。梅園が示す答えは、天下の至寶は金銀ではなく、水・火・木・金・土・穀の六府、つまり暮らしを支える実物だということです。金銀は品物を運ぶ「幣」にすぎず、物の値は金銀の多さとの釣り合いで決まるとして、その釣り合いをとることを秤の「権柄を執る」と呼びます。元禄・正徳・享保の米価の動き、士農工商の四民と、民の用をなさずに物財を費やす遊民、太平の世に広がる奢侈と、金銀が商人と都会に集まって農村が痩せていく様子、蓄えと本業の大切さ、制度と礼楽を立てて民生を厚くする道が、順に論じられます。西洋渡来の物、煙草、茶、遊芸などへの言及は、梅園の時代の見方として読んでください。巻末には、足利期の物価を伝える史料の抜き書きが添えられています。今のお金と仕事のあり方、本業への力の注ぎ方、無駄の見直しを考える材料になります。師導では七十の章句に分けて収めています。底本は一九一二年に弘道館が刊行した『梅園全集』上巻で、国立国会図書館が公開する画像から、二周で一字ずつ突き合わせて起こしました。学派は『都鄙問答』『学問のすゝめ』などと同じ「実業」に置いています。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る