遠羅天釜 / 禅
遠羅天釜(禅)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全66句。
『遠羅天釜』(おらてがま)は、臨済宗中興の祖と呼ばれる白隠慧鶴(一六八五〜一七六八)が、仮名まじり文の書簡の形で、参禅と修行の心得を説いた書です。巻之上は鍋島侯の近侍への返書、巻之中は遠方の病僧への書、巻之下は法華宗の老尼の問いへの答え、続集は念仏と公案の優劣をめぐる問いへの答えと漢文の「答客難」で、巻末に慧梁の跋が付きます。一貫して説かれるのは、静かな所にこもる修行ではなく、仕事や家事、病、戦いのさなかでも途切れさせない「正念工夫」です。臍下丹田に気を充たす内観の養生法(白幽仙人に聞いたと記します)や、病を善知識とした老和尚の話、金を守るだけの者と使いこなす者の喩えなど、具体的な譬えが多く、忙しい日々のなかで心をどう鍛えるかを考える材料として読めます。法華経や念仏への言及は、白隠が禅の立場から述べたものとして読んでください。師導では六十六の章句に分けて収めています。底本は一九〇九年(明治四十二年)に共同出版が公民文庫の一冊として刊行した活字本で、国立国会図書館が公開する画像から、二周で一字ずつ突き合わせて起こしました。学派は『臨済録』『夢中問答集』などと同じ「禅」に置いています。

人生を、一行の式にしてみた。
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