了凡四訓 / 家訓
了凡四訓(家訓)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全66句。
明の袁了凡(名は黄、一五三三〜一六〇六)が、息子の天啓に書き残した四篇です。日本では『陰騭録』の名でも読まれてきました。第一篇の立命之学は、自分の半生の記録から始まります。少年の日、孔という老人に一生の運命を占われ、科挙の順位も任官も、子がないことも、五十三歳で死ぬことも言い当てられる。以後二十年、占いは一つも外れず、了凡は「進退に命あり」と何も求めなくなりました。そこへ雲谷禅師が「お前を豪傑だと思っていたが、ただの凡夫だった」と言います。数(運命)に縛られるのは凡人だけで、極善の人と極悪の人は数に縛られない。「命は我より作り、福は己より求む」。了凡は自分の欠点を一つずつ数え上げ、善を三千行うと誓って功過格(善悪の帳面)をつけはじめ、やがて占いに無かった科挙の合格と子を得ます。号の了凡は「凡夫を了える」の意です。続く改過之法は過ちの改め方(恥じる心・畏れる心・奮い立つ心を起こし、事の上・理の上・心の上で改める)、積善之方は善の積み方(十の逸話のあと、真と偽・端と曲・陰と陽など八つの見分け方と、十の実践を挙げる)、謙徳之効は謙虚が福を招く実例です。因果応報と陰徳を説く書で、功過格や神明の話も出てきますが、芯にあるのは「自分の運命を人に算定させたままにしない」という一点です。底本は維基文庫『了凡四訓』です。流布本(6laws.net 所収)と字の並びで突き合わせると一致率は〇・九九三で、食い違いは異体字のほかは「夜夢顛倒」の「倒」の脱字一箇所だけでした。これを補い、維基文庫が改過之法に付けている小見出し(発心・工夫・効験)は原典に無いので外しています。師導では全四篇を六十六の章句に収め、本文一万一千五百三十七字の百パーセントを覆いました。息子に宛てた家の教えなので、学派は顔氏家訓と同じ「家訓」に置いています。