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了凡四訓 / 立命之學・常に落寞の想を作す

汝之命,未知若何?即命當榮顯,常作落寞想;即時當順利,當作拂逆想;即眼前足食,常作貧窶想;即人相愛敬,常作恐懼想;即家世望重,常作卑下想;即學問頗優,常作淺陋想。 遠思揚祖宗之德,近思蓋父母之愆;上思報國之恩,下思造家之福;外思濟人之急,內思閑己之邪。

新字:汝之命,未知若何?即命当栄顕,常作落寞想;即時当順利,当作払逆想;即眼前足食,常作貧窶想;即人相愛敬,常作恐懼想;即家世望重,常作卑下想;即学問頗優,常作浅陋想。 遠思揚祖宗之徳,近思蓋父母之愆;上思報国之恩,下思造家之福;外思済人之急,内思閑己之邪。

書き下し

汝の命、未だ若何を知らず。即ひ命當に榮顯なるべくとも、常に落寞の想を作せ。即ひ時當に順利なるべくとも、當に拂逆の想を作すべし。即ひ眼前食足るとも、常に貧窶の想を作せ。即ひ人相愛敬すとも、常に恐懼の想を作せ。即ひ家世望重くとも、常に卑下の想を作せ。即ひ學問頗る優るとも、常に淺陋の想を作せ。 遠くは祖宗の德を揚げんことを思ひ、近くは父母の愆を蓋はんことを思ふ。上は國の恩に報いんことを思ひ、下は家の福を造らんことを思ふ。外は人の急を濟はんことを思ひ、內は己の邪を閑がんことを思ふ。

現代語訳

あなたの運命がどうなるかは、まだわかりません。たとえ運命が栄達するものであっても、いつも落ちぶれたときのことを思いなさい。たとえ時が順調であっても、思うにまかせないときのことを思いなさい。たとえ目の前に食べ物が足りていても、いつも貧しいときのことを思いなさい。たとえ人に愛され敬われていても、いつも恐れ慎む心を持ちなさい。たとえ家柄が重んじられていても、いつもへりくだる心を持ちなさい。たとえ学問がかなり優れていても、いつも自分は浅く狭いと思いなさい。遠くは祖先の徳を世に顕すことを思い、近くは父母の過ちを覆い償うことを思いなさい。上は国の恩に報いることを思い、下は家の福をつくることを思いなさい。外は人の急を救うことを思い、内は自分の邪な心を防ぐことを思いなさい。

解説

ここから了凡は、息子の天啓に直接語りかけます。栄達しても落ちぶれたときを思い、順調でも逆境を思い、満ち足りていても貧しさを思い、学問が優れていても浅いと思え、と六つの戒めを重ねます。うまくいっているときほど慢心が生まれ、その慢心が福を損なうからです。後半は、祖先と父母、国と家、他人と自分という三つの対で、思うべきことを並べています。外に向かっては人を救い、内に向かっては自分の邪心を防ぐ。この均衡が、第四篇で説かれる謙虚の徳につながります。順調なときにこそ備えを怠らないことは、事業でも家庭でも変わらない知恵です。

この章句が説くこと

謙虚家訓修身慎み備え

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