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了凡四訓 / 立命之學・積善の家には必ず餘慶有り

「易為君子謀,趨吉避凶;若言天命有常,吉何可趨?凶何可避?開章第一義,便說:『積善之家,必有餘慶。』汝信得及否?」 余信其言,拜而受教。因將往日之罪,佛前盡情發露,為疏一通,先求登科;誓行善事三千條,以報天地祖宗之德。 雲谷出功過格示余,令所行之事,逐日登記;善則記數,惡則退除;且教持準提咒,以期必驗。

新字:「易為君子謀,趨吉避凶;若言天命有常,吉何可趨?凶何可避?開章第一義,便説:『積善之家,必有余慶。』汝信得及否?」 余信其言,拝而受教。因将往日之罪,仏前尽情発露,為疏一通,先求登科;誓行善事三千条,以報天地祖宗之徳。 雲谷出功過格示余,令所行之事,逐日登記;善則記数,悪則退除;且教持準提咒,以期必験。

書き下し

「易は君子の為に謀り、吉に趨き凶を避く。若し天命常有りと言はば、吉何ぞ趨くべけん。凶何ぞ避くべけん。開章第一義に、便ち說く『積善の家には、必ず餘慶有り』と。汝信じ得るや否や」と。 余、其の言を信じ、拜して教へを受く。因りて往日の罪を將て、佛前に盡情に發露し、疏一通を為り、先づ登科を求む。誓ひて善事三千條を行ひ、以て天地祖宗の德に報いんとす。 雲谷、功過格を出だして余に示し、行ふ所の事を、日を逐ひて登記せしむ。善は則ち數を記し、惡は則ち退除す。且つ準提咒を持することを教へ、以て必ず驗あらんことを期す。

現代語訳

「『易経』は君子のために謀りごとを示し、吉に向かい凶を避けさせるものだ。もし天命が変わらないものなら、どうして吉に向かえようか。どうして凶を避けられようか。その冒頭の大切な教えに『善を積む家には、必ずあり余る慶びがある』と説かれている。あなたはこれを信じられるか」。私はその言葉を信じ、拝して教えを受けました。そこで、これまでの罪を仏前ですべてさらけ出し、願文を一通書いて、まず科挙の合格を願いました。そして善い行いを三千件行って、天地と祖先の徳に報いることを誓いました。雲谷禅師は功過格(善行と過ちを点数で記す帳簿)を取り出して私に示し、行ったことを毎日記入させました。善い行いは数を記し、悪い行いはその分を差し引くのです。さらに準提咒(準提菩薩の陀羅尼)を唱えることを教え、必ず験があるようにと期しました。

解説

雲谷禅師が『易経』を引いて、運命が不変なら吉凶を選ぶ意味がないと説き、了凡がついに教えを受け入れる段です。「積善の家には必ず餘慶有り」は坤卦の文言伝にある言葉で、この書の第三篇「積善之方」の柱にもなります。了凡は過去の罪を仏前で告白し、三千の善行を誓いました。禅師が示した功過格は、善行を加点し悪行を減点して日々記録する帳簿です。善を数えるというやり方には打算の匂いもありますが、毎日自分の行いを書き出して見直す習慣として読めば、今日の日誌や振り返りと同じ働きをします。決意を言葉にし、記録で支えるところに実践の工夫があります。

この章句が説くこと

積善功過格立命因果記録

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