折たく柴の記 / 朱子学
折たく柴の記(朱子学)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全62句。
『折たく柴の記』(おりたくしばのき)は、江戸中期の儒学者・政治家の新井白石(一六五七〜一七二五)が、退任ののち、正徳六年(一七一六)ごろから子孫のために書き残した自叙伝です。題は、先代の将軍の恩を思い、柴を折って炊きながら書くという心を込めたものと伝えられます。上・中・下の三巻のうち、師導ではまず上巻と自序を収めています。父・祖父の暮らしぶり、父が毎朝を律した様子と、人に頼らず主従の道を守った姿、白石自身の幼いころからの学び、仕えた土屋家での浮沈と、堀田家への出仕、木下順庵に学んで進む道、甲府藩に召されて徳川綱豊(のちの六代将軍家宣)に進講を続けた日々が、飾らない和文で語られます。宝永六年(一七〇九)の将軍綱吉の死の知らせで、上巻は終わります。中巻・下巻には、家宣・家継の二代にわたる幕政(いわゆる正徳の治)の記録が続きますが、いまは収めていません。父の日々の律し方、約束を守ること、苦学と志、人の推挙で開ける道、主君への進講で信頼を積む姿は、仕事・人材・学びを考える材料になります。底本は一九一一年に青山堂書房が刊行した『校註折たく柴の記』で、国立国会図書館が公開する画像から、二周で一字ずつ突き合わせて起こしました。学派は『駿台雑話』などと同じ「朱子学」に置いています。

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