帝範 / 帝王学
帝範(帝王学)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全34句。
唐の太宗・李世民が貞観二十二年(六四八)、死の前年に皇太子へ与えた帝王学の書です。君体・建親・求賢・審官・納諫・去讒・誡盈・崇倹・賞罰・務農・閲武・崇文の十二篇からなり、統治に必要な要点だけを絞って並べます。同じ太宗を扱う『貞観政要』が臣下の呉兢による編纂で、太宗と魏徴らの問答を記録したものであるのに対し、『帝範』は太宗自身が自分の言葉で息子に書き残した文章です。だからこそ生々しい。「良匠に棄材無く、明主に棄士無し」(審官)、「則ち哲は惟れ難し」(審官)、「藂蘭茂らんと欲すれば、秋風之を敗る」(去讒)といった句が並ぶ一方、末尾では自分の贅沢と行幸を四つ数え上げて「此れ欲を防ぐに非ざるなり」と裁き、「吾を以って前鑒と為す母れ」——私を手本にするな、と書きます。「法を上に取れば、僅かに中為るを得」の一句もここに出ます。南宋で半ばを失いましたが、元の泰定二年(一三二五)に完本が再発見され、『永楽大典』を経て今に伝わりました。師導では四庫全書本を底本に全十二篇と序・後序を収め、維基文庫の標点本と全文照合したうえで、三十四の章句に分けています。章句の区切りは本サイトの便宜的なもので、原典にはありません。