金剛経 / 仏教
金剛経(仏教)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全32句。
『金剛経』(金剛般若波羅蜜経)は、釈尊と長老の須菩提の問答の形で、「空」の見方を説く大乗仏教の経典です。鳩摩羅什(五世紀初め)の訳が最も広く読まれ、日本でも禅宗をはじめ多くの宗派で読誦されてきました。「応に住する所無くして其の心を生ずべし」「凡そ有らゆる相は皆是れ虚妄なり」「一切の有為の法は夢・幻・泡・影の如し」などの句で知られ、「AはAに非ず、是れをAと名づく」という独特の言い回しで、名や形に固まった見方をいったん外して見直すことを促します。師導には、維基文庫の鳩摩羅什訳の本文(民国の江味農居士が校定した本)の全文を束に収め、三十二の「分」を一章句ずつとして並べました。この本は、唐の柳公権が書いたとされる敦煌石室の版本によりつつ、魏訳から「爾時慧命須菩提」から「是名衆生」までの六十二字(第二十一分の後半)を加えたものです。三十二の分の区分と見出しは、梁の昭明太子が付けたと伝わるもので、経の原文にはなく、後から付いたものです。本文は大正新脩大蔵経由来の表記で、臨済録・維摩経・法華経・般若心経と同じ扱いです。信仰を勧める立場ではなく、経が何を言っているかを、仕事や組織に引き寄せて読むための収録です。

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