修身要領 / 処世
修身要領(処世)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全31句。
慶應義塾が明治三十三年(一九〇〇)二月十一日の紀元節に発表した、二十九か条の道徳綱要です。福沢諭吉(一八三五〜一九〇一)の主義を「独立自尊」の四字に要約し、男女を問わず、一身・一家・社会・国家・世界にわたる心得を短い条文で並べています。明治三十一年に福沢が脳溢血で倒れたあと、小幡篤次郎・日原昌造・鎌田栄吉・石河幹明ら門下が案をまとめ、福沢が目を通して成ったとされます。福沢ひとりの著述ではなく、福沢の考えを門下が条文にし、福沢が了承したものです。発表後、井上哲次郎らから批判を受け、慶應義塾は同年『修身要領講演』を出して解説しました。第一条の「独立自尊」を軸に、自労自活、健康、結婚と家族、学び続けること、社会での権利と義務、博愛、教育までを一つずつ述べます。第八条の男女同等や、第二十二〜二十四条の国と兵役についての条など、一九〇〇年当時の国家観・家族観が表れている条があります。解説では、そのことを一言ことわったうえで、いまの仕事や組織に通じる点を読んでいます。底本は青空文庫の本文(岩波書店『福沢諭吉選集 第3巻』)で、国立国会図書館が公開する一九〇〇年刊『修身要領講演』と漢字の並びを突き合わせて確かめました。師導では前書き・総論・全二十九条を三十一の章句に分けて、全文を収めています。学派は『自警録』『武士道』と同じ「処世」に置いています。

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