修身要領 / 第二十三条
軍事に服し国費を負担すれば、国の立法に参与し国費の用途を監督するは、国民の権利にして又其義務なり。
書き下し
軍事に服し国費を負担すれば、国の立法に参与し国費の用途を監督するは、国民の権利にして、またその義務なり。
現代語訳
軍事に服し、国の費用を負担する以上は、国の立法に関わり、国費の使いみちを監督することは、国民の権利であり、同時に義務でもあります。
解説
前の条で国民の負担を述べたことを受け、負担する者には立法に参加し、国費の使途を監督する権利があり、それは義務でもあると述べる条です。国家観の違いはありますが、負担と発言権を結びつける発想は、現代にも通じます。費用を出しながら中身を問わないのは、独立自尊の姿勢に反する、という含みで読めます。会社でも、会費や予算、評価制度の使われ方に無関心でいれば、不満だけが残ります。関わる権利を使うことが、自分たちの組織を良くする責任でもあります。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
立法参与国費監督権利と義務国民負担と発言
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修身要領・第二十二条国あれば必ず政府あり。政府は政令を行い、軍備を設け、一国の男女を保護して、その身体、生命、財産、名誉、自由を侵害せしめざるを任務と為す。是を以て国民は軍事に服し国費を負担するの義務あり。
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福沢諭吉小品集・修身要領・第3段第二十二条 国あれば必ず政府あり。政府は政令を行ひ、軍備を設け、一国の男女を保護して、其身体、生命、財産、名誉、自由を侵害せしめざるを任務と為す。是を以て国民は軍事に服し国費を負担するの義務あり。 第二十三条 軍事に服し国費を負担すれば、国の立法に参与し国費の用途を監督するは、国民の権利にして又其義務なり。 第二十四条 日本国民は男女を問はず、国の独立自尊を維持するが為めには、生命財産を賭して敵国と戦ふの義務あるを忘る可らず。 第二十五条 国法を遵奉するは国民たるものゝ義務なり。単にこれを遵奉するに止まらず、進んで其執行を幇助し、社会の秩序安寧を維持するの義務あるものとす。 第二十六条 地球上立国の数少なからずして、各その宗教、言語、習俗を殊にすと雖も、其国人は等しく是れ同類の人間なれば、之と交るには苟も軽重厚薄の別ある可らず。独り自ら尊大にして他国人を蔑視するは、独立自尊の旨に反するものなり。 第二十七条 吾々今代の人民は、先代前人より継承したる社会の文明福利を増進して、之を子孫後世に伝ふるの義務を尽さざる可らず。 第二十八条 人の世に生るゝ、智愚強弱の差なきを得ず。智強の数を増し愚弱の数を減ずるは教育の力に在り。教育は即ち人に独立自尊の道を教へて之を躬行実践するの工風を啓くものなり。 第二十九条 吾党の男女は、自ら此要領を服膺するのみならず、広く之を社会一般に及ぼし、天下万衆と共に相率ゐて、最大幸福の域に進むを期するものなり。
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『学問のすゝめ』三編・一身独立して一国独立すること・権義あればしたがって職分ありもとより国の政をなす者は政府にて、その支配を受くる者は人民なれども、こはただ便利のために双方の持ち場を分かちたるのみ。一国全体の面目にかかわることに至りては、人民の職分として政府のみに国を預け置き、傍よりこれを見物するの理あらんや。すでに日本国の誰、英国の誰と、その姓名の肩書に国の名あれば、その国に住居し、起居眠食、自由自在なるの権義あり。すでにその権義あれば、またしたがってその職分なかるべからず。