修身要領 / 第十四条
社会共存の道は、人々自から権利を護り幸福を求むると同時に、他人の権利幸福を尊重して、苟も之を犯すことなく、以て自他の独立自尊を傷けざるに在り。
書き下し
社会共存の道は、人々みずから権利を護り幸福を求むると同時に、他人の権利幸福を尊重して、いやしくもこれを犯すことなく、もって自他の独立自尊を傷つけざるに在り。
現代語訳
社会がともに成り立っていく道は、人々が自分の権利を守り、幸福を求めると同時に、他人の権利と幸福を尊重し、かりそめにもそれを侵さず、そのようにして自分と他人の独立自尊を傷つけないことにあります。
解説
自分の権利を守り幸福を求めることと、他人の権利と幸福を尊重することを、同時に成り立たせよと説く条です。どちらかだけでは足りません。自分の主張ばかりでは衝突し、他人への遠慮ばかりでは自分が埋もれます。自他の独立自尊を両方守るという言い方に、福沢の考えの要が出ています。職場の会議や交渉でも、自分の立場を堂々と主張しながら、相手の立場を正面から尊重する姿勢が欠かせません。勝ち負けではなく、双方が自立したまま共存できる形を探すことが、長く続く信頼関係を作ります。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
社会共存権利幸福他人の尊重自他の独立自尊相互尊重
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