修身要領 / 第二十六条
地球上立国の数少なからずして、各その宗教、言語、習俗を殊にすと雖も、其国人は等しく是れ同類の人間なれば、之と交るには苟も軽重厚薄の別ある可らず。独り自ら尊大にして他国人を蔑視するは、独立自尊の旨に反するものなり。
書き下し
地球上立国の数少なからずして、おのおのその宗教、言語、習俗を殊にすといえども、その国人は等しくこれ同類の人間なれば、これと交るにはいやしくも軽重厚薄の別あるべからず。独り自ら尊大にして他国人を蔑視するは、独立自尊の旨に反するものなり。
現代語訳
地球上には国の数が少なくなく、それぞれ宗教、言語、風俗習慣が異なっていますが、その国の人々も等しく同じ人間ですから、交際するにあたって、かりそめにも軽んじたり重んじたり、厚くしたり薄くしたりする区別があってはなりません。ひとりで自分を偉そうに構えて他国の人を見下すのは、独立自尊の趣旨に反することです。
解説
宗教や言語、習慣が違っても、他国の人は同じ人間であり、軽重厚薄の別をつけてはならないと説く条です。自国を尊大に構えて他国人を見下すことは、独立自尊に反するとまで言い切っています。国際的な視野を持ち、対等に交わる姿勢は、国の独立を重んじる条文のなかに、釣り合いを与えているとも読めます。海外の取引先や外国人の同僚と働く現代の職場でも、そのまま通じます。相手の背景への敬意を失ったとき、自分の独立もまた薄っぺらになります。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
他国人同類の人間軽重厚薄尊大蔑視対等な交際
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