修身要領 / 第十五条
怨を構へ仇を報ずるは、野蛮の陋習にして卑劣の行為なり。恥辱を雪ぎ名誉を全うするには、須らく公明の手段を択むべし。
書き下し
怨を構え仇を報ずるは、野蛮の陋習にして卑劣の行為なり。恥辱を雪ぎ名誉を全うするには、すべからく公明の手段を択ぶべし。
現代語訳
恨みを抱いて仇討ちをするのは、野蛮な悪い習慣であり、卑劣な行いです。受けた恥辱をすすいで名誉を保つには、ぜひとも公明正大な手段を選ばなければなりません。
解説
恨みを晴らすための報復を、野蛮で卑劣なふるまいとして退け、名誉の回復は公明な手段によるべきだと述べる条です。仇討ちの記憶がまだ新しい明治の世で、私的な復讐を否定し、法と正当な手続きに委ねる姿勢を示したものと読めます。職場でも、侮辱された、手柄を横取りされたと感じたとき、陰口や仕返しで返したくなる場面があります。そこで感情のまま動かず、事実を示し、正規の場で主張する。名誉を守る最も確かな道はその筋の通し方にある、という指摘です。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
仇討ち陋習恥辱をすすぐ名誉公明の手段報復
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