修身要領 / 第二十四条
日本国民は男女を問はず、国の独立自尊を維持するが為めには、生命財産を賭して敵国と戦ふの義務あるを忘る可らず。
書き下し
日本国民は男女を問わず、国の独立自尊を維持するがためには、生命財産を賭して敵国と戦うの義務あるを忘るべからず。
現代語訳
日本国民は男女を問わず、国の独立自尊を守るためには、生命や財産をかけて敵国と戦う義務があることを、忘れてはなりません。
解説
1900年当時の国家観がはっきり表れた条で、戦う義務を男女を問わず国民に課しています。この時代は列強との緊張のなかにあり、国の独立を守ることが個人の独立の前提だという意識が強くありました。現代の私たちがそのまま受け取る条ではなく、当時の切迫感を示す記録として読むのが妥当です。そのうえで、個人の独立と国の独立を重ねて考えた点には注目できます。自分の暮らしを支える共同体を、誰が、どのように守るのか。その問いは今も形を変えて残っています。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
国の独立国民の義務男女を問わず敵国生命財産時代背景
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福沢諭吉小品集・修身要領・第3段第二十二条 国あれば必ず政府あり。政府は政令を行ひ、軍備を設け、一国の男女を保護して、其身体、生命、財産、名誉、自由を侵害せしめざるを任務と為す。是を以て国民は軍事に服し国費を負担するの義務あり。 第二十三条 軍事に服し国費を負担すれば、国の立法に参与し国費の用途を監督するは、国民の権利にして又其義務なり。 第二十四条 日本国民は男女を問はず、国の独立自尊を維持するが為めには、生命財産を賭して敵国と戦ふの義務あるを忘る可らず。 第二十五条 国法を遵奉するは国民たるものゝ義務なり。単にこれを遵奉するに止まらず、進んで其執行を幇助し、社会の秩序安寧を維持するの義務あるものとす。 第二十六条 地球上立国の数少なからずして、各その宗教、言語、習俗を殊にすと雖も、其国人は等しく是れ同類の人間なれば、之と交るには苟も軽重厚薄の別ある可らず。独り自ら尊大にして他国人を蔑視するは、独立自尊の旨に反するものなり。 第二十七条 吾々今代の人民は、先代前人より継承したる社会の文明福利を増進して、之を子孫後世に伝ふるの義務を尽さざる可らず。 第二十八条 人の世に生るゝ、智愚強弱の差なきを得ず。智強の数を増し愚弱の数を減ずるは教育の力に在り。教育は即ち人に独立自尊の道を教へて之を躬行実践するの工風を啓くものなり。 第二十九条 吾党の男女は、自ら此要領を服膺するのみならず、広く之を社会一般に及ぼし、天下万衆と共に相率ゐて、最大幸福の域に進むを期するものなり。
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