日暮硯 / 帝王学
日暮硯(帝王学)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全28句。
『日暮硯』は、信濃国松代藩(真田家十万石)の家老・恩田木工が、傾いた藩の財政を立て直した次第を記した江戸中期の記録です。本文によれば宝暦五年(一七五五)の初め、江戸で藩主から勝手(財政)の立て直しを任された木工は、まず妻子・家来・親類・領民に「噓を言わない」と宣言し、一度決めたことは二度と変えず、贈り物を受けず、足軽による年貢の取り立てをやめ、先納・御用金・未進の整理を領民との話し合いで進めます。藩主が若いころ飼鳥を勧めた家臣を鳥籠に座らせた逸話に始まり、木工が妻子や家来を前に誓う場面、百姓を呼び出して語りかける場面などが、会話の形で生き生きと語られます。作者や成立の事情は本文に書かれておらず、末尾に「宝暦十一年冬之初」の識語があります。年貢や先納、百姓の描かれ方には当時の身分制度が表れていますが、解説ではそのことをことわったうえで、いまの組織や仕事に通じる点を読んでいます。底本は一九三五年に素行会が刊行した活字本で、国立国会図書館が公開する画像と一字ずつ突き合わせて起こしました。師導では本文を場面ごとに二十八の章句に分けて収めています。学派は『貞観政要』などと同じ「帝王学」に置いています。

人生を、一行の式にしてみた。
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