信心銘 / 禅
信心銘(禅)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全25句。
中国禅宗の第三祖・僧璨に帰せられる、四言一四六句・五百八十四字の詩です。「至道無難、唯だ揀擇を嫌ふ」——道は少しも難しくない、ただえり好みを嫌うだけだ、という一句で始まり、「言語道断、去来今に非ず」の八字で終わります。全篇を貫くのは「不二」——ものごとを二つに分けないという一点で、有と無、動と静、迷いと悟りといった対立が次々に解体されていきます。特徴は、修行の方法をほとんど説かないことです。「真を求むるを用ゐず、唯だ須らく見を息むべし」と真理を求めること自体を退け、「心を将って心を用ゐる、豈に大錯に非ずや」と、心で心を何とかしようとする努力を大きな誤りだと断じます。趙州は冒頭の四字を繰り返し弟子に投げかけ、『碧巌録』第二則はこの句から始まります。日本でも臨済・曹洞の両宗で読誦され、道元が坐禅の要諦とした「非思量」の語もこの書に出ます。師導では維基文庫の原文を底本に、宋刊本『景徳伝灯録』巻第三十(四部叢刊本)と全文照合したうえで、六句ずつ二十五章に分けて収めています。章の区切りと番号は本サイトの便宜的なもので、原典にはありません。