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信心銘 / 第二章

欲得現前 莫存順逆 違順相爭 是為心病 不識玄旨 徒勞念靜

新字:欲得現前 莫存順逆 違順相争 是為心病 不識玄旨 徒労念静

書き下し

現前(げんぜん)を得(え)んと欲(ほっ)せば、順逆(じゅんぎゃく)を存(そん)する莫(な)かれ。違順(いじゅん)相(あ)ひ爭(あらそ)ふ、是(こ)れを心病(しんびょう)と為(な)す。玄旨(げんし)を識(し)らずして、徒(いたづ)らに念靜(ねんじょう)を勞(ろう)す。

現代語訳

道を目の前に現したいなら、順境と逆境を分けて抱えこむな。逆らうものと従うものとが争い合う、それが心の病である。奥深い趣旨を知らないまま、いたずらに静けさを念じて骨を折るだけだ。

解説

前章の「揀擇」を、順逆という具体に落とす。順境と逆境、思い通りと思い通りでないもの。この二つを立てて心の中で争わせること自体が病だという。ここで注意すべきは最後の二句である。「玄旨を識らずして、徒らに念靜を勞す」——静かになろうと努力すること自体を、そのまま骨折り損だと切り捨てている。心を静めようとする努力は、静と動を分けたうえで静の側に立とうとする行為であり、それもまた揀擇にほかならない。修行らしい修行を早々に否定してしまうところに、この書の厳しさがある。落ち着こうと努めるほど落ち着かないという、誰もが知っている経験の根っこを言い当てている。

この章句が説くこと

順逆心病玄旨念静

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