重職心得箇条 / 処世
重職心得箇条(処世)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全17句。
佐藤一斎(一七七二〜一八五九)が、藩の重職、つまり家老・重臣といった要職にある者に向けて書いたと伝えられる、全十七条の心得書です。一斎は美濃国岩村藩の出身で、のちに幕府の学問所・昌平坂学問所の儒官となり、『言志四録』の著者としても知られます。個人の修養を説いた『言志四録』に対して、この書が扱うのは権限、決裁、前例との付き合い方、賞罰、多忙の戒めといった組織の実務で、読む相手は君主ではなく、トップの下で組織を回す人です。成立年と宛先には定説がなく、岩村藩のために書かれたと伝わることまでが確かなところです。条数が十七であることを聖徳太子の十七条憲法にならったとする説明もありますが、これは後世の解釈です。原本は伝わらず、現在広く読まれているのは流布本の本文です。師導は、ウィキペディア日本語版の「重職心得箇条」と、安岡正篤『佐藤一斎「重職心得箇条」を読む』の原文を掲げるサイトの二つを突き合わせて、全十七条の本文が一致することを確かめて収めています。第十一条の「仮令才ありてお其の用を果たさず」は、流布本のままです。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
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