導師導古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

重職心得箇条 / 第四条

先格古例に二つあり、家法の例格あり、仕癖の例格あり、先づ今此の事を処するに、斯様斯様あるべしと自案を付け、時宜を考へて然る後例格を検し、今日に引き合わすべし。仕癖の例格にても、其の通りにて能(よ)き事は其の通りにし、時宜に叶はざる事は拘泥すべからず。自案と云ふもの無しに、先づ例格より入るは、当今役人の通病(つうへい)なるべし。

書き下し

先格古例に二つあり、家法の例格あり、仕癖の例格あり、先づ今此の事を処するに、斯様斯様あるべしと自案を付け、時宜を考へて然る後例格を検し、今日に引き合わすべし。仕癖の例格にても、其の通りにて能(よ)き事は其の通りにし、時宜に叶はざる事は拘泥すべからず。自案と云ふもの無しに、先づ例格より入るは、当今役人の通病(つうへい)なるべし。

現代語訳

先例や古い決まりには二種類ある。家法としての例と、癖としての例である。まず、いま目の前のこの件をどう処理するか、こうあるべきだと自分の案を立て、時宜を考えたうえで、そのあとに先例を調べ、今日の状況に照らし合わせるべきだ。癖としての先例であっても、そのままでよいことはそのままにし、時宜に合わないことにこだわってはならない。自分の案というものを持たないまま、まず先例から入るのは、いまの役人に共通した病である。

解説

先例には、家法としての例と、癖としての例の二種類があると一斎は分けます。そのうえで、物事に当たるときはまず「こうあるべきだ」と自分の案を立て、時宜を考えてから先例を調べ、今日の状況に照らして合わせよと勧めます。逆に、自案を持たずに先例から入るのは、当時の役人に共通した病だと断じます。前例踏襲が目的化しやすい現代の職場でも、通じる指摘です。前例は答えそのものではなく、自分の案を磨く材料として使う。その順序を守ることが、判断力を鍛えます。

この章句が説くこと

先例自案時宜前例踏襲判断重職心得箇条

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る