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重職心得箇条 / 第九条

刑賞与奪の権は、人主のものにして、大臣是れ預かるべきなり。倒(さかし)まに有司に授くべからず。斯くの如き大事に至っては、厳敷(きびし)く透間あるべからず。

書き下し

刑賞与奪の権は、人主のものにして、大臣是れ預かるべきなり。倒(さかし)まに有司に授くべからず。斯くの如き大事に至っては、厳敷(きびし)く透間あるべからず。

現代語訳

刑罰と褒賞、与えることと奪うことの権限は、君主のものであって、大臣がこれを預かるべきものである。逆さまに、下の役人に授けてはならない。このような大事にあっては、厳格にして、すきま(つけ入る隙)があってはならない。

解説

刑賞与奪、すなわち罰と褒美、与えることと奪うことの権限は君主のものであり、大臣はそれを預かる立場だ、と本条は述べます。これを逆さまに下の役人へ授けてはならず、この件に限っては厳しく、隙があってはならないとします。権限を下ろしてよい範囲は広くても、人事評価や処遇の最終判断のように組織の公正さの根幹に関わるものは、手放せません。第八条の任せる姿勢と対をなす条文で、何を任せ、何を預かり続けるかの線引きが問われています。原文は短いながら、権限の持ち場をはっきり分ける姿勢が貫かれています。

この章句が説くこと

賞罰権限人事評価公正預かる重職心得箇条

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