重職心得箇条 / 第五条
応機と云ふ事あり肝要也。物事何によらず後の機は前に見ゆるもの也。其の機の動き方を察して、是れに従ふべし。物に拘(こだわ)りたる時は、後に及んでとんと行き支(つか)へて難渋あるものなり。
書き下し
応機と云ふ事あり肝要也。物事何によらず後の機は前に見ゆるもの也。其の機の動き方を察して、是れに従ふべし。物に拘(こだわ)りたる時は、後に及んでとんと行き支(つか)へて難渋あるものなり。
現代語訳
機に応じるということがあり、これが肝要である。物事は何によらず、あとで来る機は、その前に兆しとして見えているものだ。その機の動き方をよく察して、それに従うべきである。何かにこだわっていると、あとになって行き詰まり、難儀することになる。
解説
短い一条ですが、要点ははっきりしています。物事は、あとで来る「機」が前もって兆しとして見えているものだから、その動き方をよく察して従え、というのです。「応機」とは、時機に応じて動くことを指します。反対に、何かにこだわって兆しを見逃すと、あとになって行き詰まり、難儀すると戒めています。市場や顧客、組織の空気の変化は、たいてい小さな徴候から始まります。こだわりを手放して変化の動きを読む力は、経営者や幹部にとって欠かせない感度だといえます。
この章句が説くこと
応機機兆しこだわり察する重職心得箇条
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