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重職心得箇条 / 第十七条

人君の初政は、年に春のある如きものなり。先づ人心一新して、発揚歓欣の所を持たしむべし。刑賞に至っても明白なるべし。財帑(ざいど)窮迫の処より、徒(いたず)らに剥落厳沍(げんご)の令のみにては、始終行き立たぬ事となるべし。此の手心にて取り扱いあり度(たき)ものなり。

書き下し

人君の初政は、年に春のある如きものなり。先づ人心一新して、発揚歓欣の所を持たしむべし。刑賞に至っても明白なるべし。財帑(ざいど)窮迫の処より、徒(いたず)らに剥落厳沍(げんご)の令のみにては、始終行き立たぬ事となるべし。此の手心にて取り扱いあり度(たき)ものなり。

現代語訳

君主の最初の政治は、一年に春があるようなものである。まず人心を一新し、心を発揚させ、喜びを持たせるべきだ。刑罰と褒賞についても明白であるべきである。財政が窮迫しているからといって、ただ削減と厳しい引き締めの命令ばかりでは、結局は立ち行かなくなる。この手加減で取り扱ってほしいものである。

解説

人君の初政は一年に春があるようなもので、まず人心を一新し、喜びと意気を持たせるべきだ、と本条は述べます。刑罰と褒賞も明白にし、財政が苦しいからといって削減と厳しい引き締めの命令ばかりでは、結局立ち行かなくなると言います。「初政」は就任直後の最初の政治を指します。新任の経営者や管理職がまず緊縮や改革の宣告から入りがちな点への戒めとして読めます。就任直後の数か月に何を示すかが、その後の組織の空気を決めるという実感に基づく助言です。

この章句が説くこと

初政人心一新春賞罰財政重職心得箇条

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